過去数十年、パソコンやスマホなどのICTは人間の知的活動の能力を大きく拡張しました。知識へのアクセサビリティは1990年代と今では完全に別世界であり、当時のライフスタイルを思い出すのも難しくなるほど世の中は変わりました。

Man is a toolmaker, has the ability to make a tool to amplify the amount of inherent ability that he has.  (Steve Jobs, Apple co-founder)

技術はさらなる次元へ向かっています。次は身体機能や認知機能の、まずはアシストから始まり、代替手段となり、さらに機能拡張へと向かっていくでしょう。鳥のように自由に空を飛べる日がいつ来るか分かりませんが、病気や事故で足を失っても健常者と変わらぬ活動ができるようになる日はそう遠い未来ではなく、生まれ持った視力を失っても愛する人の姿を見ることができる日も来るでしょう。

歩行アシストデバイスなど既に商品化の事例もあり、Googleはパーキンソン病などで手の震えが止まらない人でも普通に食事できるスプーンを商品化しました。AI、IoT、ロボティクス、さらには脳の活動を直接観察し、脳へ直接刺激を伝達できるBrain-Computer Interfaceを開発する研究や企業へ資金が集まり、学習の効率化のために脳へ直接働きかける研究開発も注目されています。エラストマー等での新たな素材を活用し、生体模倣(Bio Mimic)技術を使い従来の工学とは一線を画す仕組みで人に優しく接合するデバイスを開発する企業も登場しています。

Humans are not disabled. A person can never be broken. Our built environment, our technologies, are broken and disabled. We the people need not accept our limitations, but can transcend disability through technological innovation.  (Prof. Hugh Herr, MIT)

ダイソンやiRobotが掃除機を、AppleやFitbitが時計を再発明したように、今後、身の周りの様々な機器が進化を遂げるでしょう。例えば、補聴器が会話の内容を理解して高齢者をオレオレ詐欺から守り、物忘れが激しくなってもメガネやアクセサリーに埋め込まれた小さなコンピュータが目の前の人が誰であるかをそっと教えてくれ、道に迷っても目的地までの道のりをさりげなく誘導するようになるかもしれません。環境(椅子やベッド、壁に埋め込まれたセンサー)や衣類(ウェアラブル・コンピュータ)や体内に埋め込まれたデバイスが24時間、身体・生活を見守るのは普通のことになるでしょう。

既に報道されているように、弊社は全固体電池をベースに研究開発を進めております。現在、我々が注視しているのは、人の身体機能や認知機能をアシストし、或いは代替し、さらには、人間の機能を拡張する技術です。そのようなイノベーションをバッテリー技術で支えます。
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池よりも安全で、低温でも高温でも安定して駆動します。それだけでなく、理論的には同じ体積ならリチウムイオン電池よりも小さく、あるいは、同じ大きさなら長時間、使用できる特徴があります。我々は、さらに環境発電(Energy Harvesting)のプラットフォームのコンセプトで商品を設計、より企業様の開発で使いやすくなるよう日々研究活動を続けています。

エンパワー・ジャパン

2020年4月1日